第6話●浜田駅 〜50系客車への機関車連結作業〜
1991年 3月
2007年初稿・2019年10月14日更新

浜田駅に到着した上り824レ
 浜田駅に到着した上り824レ。
 この客車が1時間程の休憩の後、827レとして再び下関へ戻るが、機関車は取替えとなる。
 山陰本線には1991年3月ダイヤ改正まで、 下関〜浜田間を直行で行き来する比較的長距離の50系客車普通列車、824・827列車が設定されていた。
 下関を早朝に出発してお昼前に浜田へ到着、小休止のあと再び往路を逆向きに辿って、 下関へは当日の19時頃に帰着する4両編成だった。
 このダイヤ改正の時点で、益田方より浜田に乗り入れる客車列車はこの1往復のみであり、 逆に出雲市方より乗り入れる客車列車も特急出雲1・4号の1往復だけだった。

浜田駅に停車する50系客車と下り特急おき
 浜田駅2番線に停車する50系客車と、1番線から発車する下り特急おき3号。
 ほぼ同時に3番線からも上りのおき2号が発車するので、 キハ181系・合計6両の轟音と案内放送に構内は束の間、騒然とする。
 一方、下関〜益田間には直通運転・区間運転の客車列車が未だ多数設定されていて、 まとまった数の機関車が運用されていたことを考えると、 この浜田乗り入れ列車は特急出雲との連携で、米子地区からの機関車取り込みのために残存していたとも考えられる。
 実際、下関へ折り返す下り列車の牽引機は、上り列車のそれとは異なっていたことからも、 特急出雲の牽引機が列車を乗り換えながら下関まで下っていたものと考えられる。

 お昼前に到着した上り824列車の牽引機・1116号機は直ちに連結を解かれて庫へ引き上げる。
 暫くするとキハ181系の特急おき2号と3号が、ほぼ同時に到着して騒然とするのも束の間、 両列車はやはり、ほぼ同時に発車すると再び駅に静けさが戻る。

浜田駅で50系客車に連結されるDD51 1185
 827レを牽引するDD51が客車に連結される。
 蒸気発生器は既に稼動していて、機関車の屋根上を白煙が這う。
 お昼をまわって、下り827列車の発車時刻が近づくと、 係員に誘導された1185号機が暖房蒸気を勢い良く屋根上に排気しながら留置線を通過していく。 そして一旦、構内西側の本線上に引き上げた後、折り返し転線して客車の待つ2番線へ静かに接近してきた。

 機関車は客車の手前で一旦停止する。そして、係員の無線誘導で徐々にその間隔を詰めてゆき、 緩い衝撃音と僅かな衝動を伴って連結された。
 連結が済むとブレーキ管、蒸気管、元溜管の順に接続される。 温度変化の大きい蒸気管は、ハンマーを用いて増し締めするようだ。辺りに甲高い打撃音が響く。 また時折起動する空気圧縮機の動作音も小気味良い。

浜田駅で出発を待つ827レ
 浜田駅で出発を待つ50系4連の827レ。
 機関車の連結も済み、そこ此処から流れ落ちていたドレンは何時しか止んで、ゆらゆらと湯気が立ちのぼる。
 連結作業が終わり、それまで機関車の屋根上に排気されていた暖房蒸気が客車へ供給され始めると、 客車の床下からは冷めた暖房管内で凝結した蒸気がドレンとなって勢い良く流れ落ちていた。
 列車が出発する頃には暖房管も温もってドレンは止み、同じ場所からは穏やかに湯気が立ち上っていることだろう。
 そろそろ、三保三隅や益田方面へ向かう旅客が三々五々乗車を始める。

萩駅における客車列車同士の交換
 萩駅では客車3両の下関発益田ゆき828レと交換する。
 827レはこの先、人丸・滝部・湯玉でも客車列車同士の交換がある。
 午後1時頃に浜田を出発した下関行き827列車は、 国鉄色DD51重連牽引の貨物列車でいま再び脚光を浴びている岡見や石見津田といった風光明媚な海岸線を走り、 益田から更に西進して再び北長門の海岸線を走って萩に至る。

 萩では、やはりDD51が牽引する50系客車の3連の益田行き828列車と交換した後、 運行上の要衝である長門市に到達する。
 長門市では国鉄時代を思わせる、やや長い停車中に後を追ってきた特急”いそかぜ”に道を譲り、 人丸・阿川・滝部・湯玉と、下関からの上り列車とこまめに交換を繰り返しながら、足取りも軽快に終着駅を目指す。

滝部駅における客車列車同士の交換
 滝部駅で交換した50系客車5両の832レ・東萩行きを827レの車窓から見送る。
 豊北町の中心駅で駅舎も近代的だが、既に人影の無いホームが田舎であることを物語る。

●おことわり
(1)  本文中の写真は、すべてが動画と同時に撮影されたものではありません。
(2)  本稿の動画はご覧のウィンドウサイズに応じて最大1280×720ピクセルまで拡大、あるいは全画面表示ができます。
 但し、元動画はアナログテレビジョン程度の解像度で撮影されたものですので、ぼやけた画像となることをご理解下さい。


トップページへ戻る

このページのトップへ戻る

(C) 2007-2020 宇田 惣郷